峠の上は夕刻から雨になりました。これからは一雨毎に寒くなって行くのでしょう。

*熊棚の続きです。夜8時過ぎ、洗面所に居た私の耳には「バキッ!」と木の枝の折れる音が聞こえました。まさか!と思いながら勝手口から懐中電灯で照らしてみますと、先日の栗の木に又熊が上がっています。体全部は見えませんでしたが、灯りの先に有った光る眼は黒い顔の中に有ったと思います。枝はゆさゆさと大きく揺れ動いていましたから、間違いなく熊でしょう。恐い事です。こちら側に来たらと思うと、改めて恐怖心が湧いて来ました。
峠の上は夕刻から雨になりました。これからは一雨毎に寒くなって行くのでしょう。
「これは苦難猿と言います。・・・貴女に今以上の苦難の有りませんようにと念じながら、一つ一つ念入りに作りました。・・・」中のお手紙にはこう書いてありました。
小さな小さな手作りのお猿さんが九つ、南天の木の上に並んでいます。しかも母の分と二組が入っていました。
この先に待っている日々を案じて、ご不自由な手で作って下さったのかと思うと、胸が熱くなりました。 感謝しながら、勇気づけられて。 頑張って行けそうです。